札幌の奥座敷とも呼ばれ温泉地としても有名な札幌定山渓の紅葉が見ごろを迎えていました。普段から札幌の星空を撮ることを自身のひそかなテーマとしている身としては心躍ります。純粋に星空を撮る環境としては温泉地の強い光はマイナス要素でしかなく、それゆえあえてこの場所で星を撮ろうとする人はほとんどいません。前例がほぼないため、もし星空が撮れたらどんな風に撮れるのか逆に楽しみです。ということで今回は定山渓の紅葉と星空の撮影に挑戦してきました。
定山渓で捉えた天の川
さて昨年から何度も足を運び撮る場所はいくつか決めていました。まず錦橋から、川の渓谷の先山すそに沈む夏の天の川を狙いました。天の川の方向には温泉市街地があり、川の両サイドには街灯や小さな宿の光がいたるところから漏れてきています。星撮りにはこれ以上ない悪条件です(笑)。結果何とかうっすらと天の川を捉えることができましたが、前景がとても賑やかな彩色になってしまいました。
30分くらい天の川を撮影した後、次に狙うオリオン座が昇ってくるまでは4時間くらいありその間コンビニの駐車場で夕食を撮って休憩していると問題が発生しました。
「後ろのタイヤパンクしてますよ」親切なバイク乗りのお兄さんが教えてくれた。全然気づかなかったが見事にパンクしていた。実は毎回レンタカーを借りていて、予備のタイヤの備え付けもなかった。これ以上自走できずあえなくレッカーで車移動、自身は公共交通機関で家に帰らなければならなくなってしまった。。
これからというときにかなりへこんだが、歩いて行ける距離の場所まで行ってなんとか撮った2枚。雲がでていたがリフレクションが美しかった。ここは変な光が入らず紅葉がきれいに撮れた。
オリオンが昇り始めた頃。温泉街の光がちょうど紅葉をライティングするように照らしていた。
再挑戦
数日後、思わぬ理由で強制終了してしまった定山渓の星撮りに再挑戦。相変わらず街灯が強い場所で苦戦する。街灯の光はナチュラルな白色なのに、紅葉の赤やレンジがどうしても緑がかって映ってしまい本来の色が出ない。ただ星空は方向さえよければそれなりにちゃんと出てくれる。
場所を変えて。ここが一番雰囲気よく撮れた。構図も狙った通りで満足な一枚。
反対側の紅葉の山にうっすらと天の川。
次は定山渓ダムへ。この場所から夜間撮るには最寄りの駐車場から1kmくらい歩かないといけない。薄暗く長いトンネルもくぐりながら、頑張って歩いて撮った。予めわかっていたが、星撮りに一番厄介なオレンジ色のナトリウム灯がせっかくの紅葉を盛大に照らしていた。フィルターとソフトの力を借りて何とか色かぶりを取り除き紅葉の色を出すことができた。
あまりにも効果があったので商品のご紹介。今回使ったフィルターはnisiの「光害カットフィルター ナチュラルナイト 150x150」。撮って出しだとどちらも色かぶりしているが、画像処理してやると本来の色の残り具合が全く違っていた。
ポテンシャルを感じる札幌の星空
最後は定山渓から少し離れた札幌市南区内の開けた場所から。まだまだ札幌市の可能性を感じる満天の星空でした。
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定山渓の秋
下は星撮りの日とは別の日、妻と早朝に出かけて撮った定山渓の秋。ピンクに染まる空と紅葉。
朝霧ただよう紅葉の湖。
偶然にもこの日初冠雪した定山渓天狗岳と紅葉。妻と子供のようにはしゃぎながら撮りました(笑)
とこのような感じで今回も定山渓の紅葉と星空を楽しめた撮影となりました。ありがとうございました。