こんにちは、ほしたびです。いつの間にか年が変わってしまいました。本ブログですがスタートしてから早3年が経ちました。ブログをはじめた3年前、自分が一番好きな星景写真をメインに活動することを決めて以降様々な場所のロケハンを行い、撮影の計画を立て、毎月2,3度ルーチンワークのように星空撮影を続けてきました。
これまでは撮影後のソフトでの現像技術も含め上手くなるためにはまず枚数を撮らなければならないということが頭にありやや撮れ高優先の撮影を行ってきましたが、今後は少し腰を据えて撮りたい対象やテーマを絞り撮影成功までに長い時間や回数を要するような不確実で難しいチャレンジも積極的に行っていきたいと考えています。
それに伴いブログの更新回数や掲載写真の枚数は減るかと思いますが変わらずお付き合いいただけるならうれしいです。さて今回は、1か月以上前になってしまいましたが先月初めの道東遠征での星空写真のレポートになります。
凍り始めたオンネトーで
今回の道東遠征では4日間滞在し3晩星空の撮影を行いました。できれば氷結し始めたオンネトーでアイスバブルと星空を撮りたいと思い、下見も含めて冬季通行止めの片道2kmの道のりを計4往復しましたが完全凍結にはまだ早くアイスバブルを撮ることはできませんでした。
そんな中最終日の夜に撮れたオンネトーでの今回のベストショットが下の写真。まだ氷結し始めの湖面は片足を少し乗せただけでバリバリと氷が音を立ててとても上を歩けるような状態ではありませんでしたが、オンネトー独特のエメラルドグリーン色の湖と星空を撮ることができました。冠雪した雌阿寒岳(左)と阿寒富士(右)もきれいですね。
下は遠征初日に撮った写真。まだ氷結はほとんど進んでおらずかといってリフレクションを期待できる湖面でもなくなんとも中途半端な状態で納得がいかずこの2日後再び撮影することになりました。
別のカメラで撮った32分1枚撮りの星の軌跡。長秒1枚撮りはやはり空と星の色がきれいに出ます。
名もなき丘の上で繰り広げられた天体ショー
今回の道東遠征ではオンネトーの他にも何か所か回って撮りました。下は遠征のロケハン中にたまたま見つけた場所ですが、小高い丘の上に防風林が立ち並ぶ少し美瑛のようなロケーションでした。この日は日没直後に写真左中央付近から右下に向かって木星、土星、金星が一直線に並ぶ天体ショーが見られました。右側には夏の大三角とその間を貫く天の川、ラッキーなことに流星までフレームインしてくれ豪華な星々の共演を1枚に収めることができました。
果てしなく続くアンテナ群
別の場所では延々と続くかのような観測用のアンテナ群と星空を。オリオン座や天の川の星々がアンテナと寄り添うように見えました。実はここは2年も前に知った場所ですが、コロナ自粛などもあって今回やっと訪れることができました。
轍の跡
この冬は暖冬で普段ならもう少し積雪があってもおかしくないのですが、なかなか雪景色のロケーションを見つけられませんでした。そんな中でうっすらと積もった雪の小道をおそらく太いタイヤの農耕車両が通ってできたと思われる雪の上の轍跡を見つけました。その先には防風林が立ち並びその間にオリオンが現れるのを待って撮った1枚です。
サイロ小屋とオリオン
使われなくなったサイロ小屋とオリオン。ここは雪があればよいなと思って訪れた場所でしたが、全く積雪なくちょっと地味な感じになってしまいました。
昭和ノスタルジー
少し前から気になっていた昭和を思い出すノスタルジックな雰囲気ただよう石倉の建物と星ぐるぐる。何年か前までは営業されていたようですが、この日は昼間訪れても店は閉まり、奥にある住居にも人が住んでいる気配がありませんでした。店の正面に強い街灯がありましたが、空はとても暗い場所なので星の色がはっきり出ています。
ちょっとした出会い
ロケハン中1台の放置されたジープを見つけました。放置されているとはいえ明らかに私有地内にあり撮影はさすがに無理かなと思って立ち去ろうとしたところ、少し離れた家から心配そうにこちらを見ている70くらいのおばあさんに気づきました。
急いで駆け寄ると
(お)「ジープ(のこと)かい?」
(私)「そうなんですが、あれお母さんのジープですか?」
(お)「そうだよ。」
少し怪訝そうに答えた。最近の自分の星撮りの方針ですが、無人の建物などで私有地外から撮影が可能な場合であってもできる限りその所有者さんを探して明るいうちに一言ご挨拶してから撮影することにしている。その方が自分自身気持ちが良いし、仮に夜の撮影時にばったりお会いすることがあっても驚かせずに済むからだ。
最初は皆だいたい怪訝な顔をされるけど、自分が仕事ではなく個人的な趣味のために一人札幌からやってきたこと、星空の風景が好きで各地で撮り歩いていること、そして撮らせていただく被写体が好きなことなど素直に伝えるとたいてい快く承諾いただけ、その被写体に関連するお話しなどを聞かせていただいたりする。この日もそんな風にして撮影を承諾いただいた。
夜の撮影の承諾をいただき試し撮りで何枚か撮り終えた後車で立ち去ろうとする私に
「甘いもん好きかい?」
とおばあさんが唐突に話しかけてきた。
「はい、好きですけど」
そう答えると、家の奥から「これ、持っていきな」と作り立てという餡ドーナツ2つを手渡してくれた。普段からあまり人と接することなく一人で活動している自分にとっては心に残る出来事でした。