星撮りを再開してからしばらく経ちましたが少しずつ撮る体力や意欲が戻ってきました。ほぼ1年本格的な撮影を休んだおかげであらゆるものが新鮮に感じます。冬が終わり雪が解けて春の息吹を感じる季節。現地に赴くと目に映るものだけからではなく花や新緑や耕された土の香りを体で感じれるような気がします。
そんな春の息吹を感じながら撮りたいものがいくつかありましたが今回はようやく水張りが始まった水田と星空の撮影に挑みました。田んぼの水張状況はなかなかネットの情報だけでは分からないので現地に行って確認する必要があります。この日は事前に目星をつけていたいくつかの田んぼを回り水張りが終わっていたら撮影をさせてもらおうと考えていました。
春の水鏡に映し出された天の川
まず向かったのは星空とともに羊蹄山のリフレクションも狙えるニセコの田んぼ。実は4年前にも一度撮影したことがある場所で今は有名になって他の撮影者もたくさん来る可能性もあったので今回は状況確認だけのつもりで訪れたのですが、現地で確認すると水張がされたばかり(田植え前)という好条件で予定を変更しここを一番に撮影することにしました。
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ニセコの田んぼで羊蹄山と星空リフレクション
他の方のSNSの写真を見ていてどうしても撮ってみたくなった田んぼの星空リフレクション。他にも撮ってみたい場所がまだたくさんありましたが、稲が育ちきる前の今しか撮ることができないと思い行ってきました。 ...
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夜を待ち月が沈んで浮かび上がった天の川を撮影したのが下の1枚。この日は空も澄んで羊蹄山や天の川がはっきりと水田に映ってくれました。撮影中やはり人気の場所で平日にもかかわらず他にも2組の撮影者がおられました。
(一部私有地に内に入っての駐車・撮影となるため田んぼの農家さんの承諾を得て撮影を行いました。)
街明かりの中の水田
羊蹄山の見える水田でリフレクションを撮影した後まだ時間があったのでもう一箇所別の水田へ。北海道は米所でもあるのでそれなりに田んぼが多いですが土地柄広くて平面的な田んぼが多くいざ星空を撮影しようとすると単調な構図になってしまいがちになります。
そういう意味で星撮りに適した田んぼを探すのが本当に難しいのですがここはやや高い丘に田んぼが並び周囲には街明かりが見えその奥には山脈というちょっと面白い場所でした。この日の大気の状態がよかったのも当然あるかと思いますが、これだけ街明かりがあっても光害にならず星空もリフレクションもしっかり映ってくれるのは北海道ならではかもしれません。
上の写真のすぐ近くで2本の寄り添う木を見つけて撮りましたがよく見ると右側は何本かの木の集合体でした。星空は30枚撮ったつもりがミスで1枚しか撮れていなかったですがこの日この場所の天の川は1枚撮りで全然問題なく浮かび上がってくれました。
水鏡が描く星のアート
2箇所の水田で天の川の撮影をしている間実は別の場所でカメラを設置し星の軌跡を撮影していました。近くに道路があり車が通行するとヘッドライトで狙いの水田リフレクションが台無しになるような場所でしたが、1時間でも星の軌跡がつながればという遊び半分の気持ちで撮影をしました。結果的に撮影開始した9時から翌日2時まで一台も車は通らず約4時間の軌跡を撮影することができました。
水田には苗がすでに植えられておりその合間を縫うように星の軌跡が走っているのがわかるかと思います。とても面白い1枚になりました。田んぼ奥に見える山々はニセコ連峰になります。
15万本のスイセンと星空
別の日スイセン畑の撮影にも行きました。あいにくこの後雲が出て天の川は撮影することができませんでしたが咲き乱れるような一面のスイセン畑と星空を撮影することができました。この畑は80を過ぎたおじいさんがたった一人で植えられ管理されているようです。昼間ご挨拶に伺うと親切にも畑を案内して回りながら今や30種以上15万本というスイセンの説明をしていただきました。何よりお元気でお話を聞いているだけでこちらが元気をもらえるような素敵な方でした。
(夜間は畑入口が施錠されるため許可をいただき撮影しました。)
菊子桜と星空
スイセンと星空を撮影した後雲がでてきてあきらめて帰路に着く途中どうせならと気になっていた場所のロケハンに向かいました。現場に着くともうあと20分くらいで薄明の時間にかかるころでしたが空を見上げると雲一つない晴天で慌てて撮影を開始。北側しか撮影ができませんでしたがちょうど構図的に良い位置に北斗七星がいてくれました。予定外でとっさに撮った写真ですがなかなかお気に入りの一枚になりました。
ちなみにこの桜の名前「菊子」はこの桜の所有者様のお母さんのお名前だそうです。いろいろ思い入れがある桜のようですがいつか昼間にお伺いしてお話を聞いてみたいです。
(夜間は敷地内入口施錠のため敷地外から撮影しました。)
月と金星
ニセコで水田リフレクションを撮る前のブルーアワーの時間帯に撮った一枚。あと1日早ければ月をもっと大きく撮れたはずなのですがなかなかタイミングやロケーションが月は難しいです。