先月末北海道にもようやく遅い春がやってきました。星を撮り始めて5年目になりますが、実はこれまでまだ桜と星空を撮ったことがありませんでした。花の時期が短かかったりそもそもきれいに撮るのが難しそうだという苦手意識があり積極的に撮ろうとしてこなかったこともあります。
ただ今回の桜は3年前に現地で見つけた山桜で最初に星空と撮るならこの桜と決めていた桜でした。その後コロナの自粛や自身の都合もありなかなか撮りに来ることができませんでしたが今回ようやく念願の星空との撮影をすることができました。
月光下の山桜
名所の桜ではないため開花状況などの情報ないまま現地に向かいましたが着いて確認すると8分咲きほどで何とか撮影できそうでほっとしました。夜になり天の川が昇ってくるまではだいぶ時間があったので久しぶりにスタートレイルの撮影を開始しました。下写真はその際の試し撮りの1枚。月明かりが残る時間帯だったので桜のピンクが鮮やかに出ています。
下写真は約2時間半のスタートレイル。少し想定より星が出過ぎてしまいました。
桜と天の川そして流星一閃
やがて月が沈むと山奥のため差し込む光が全くなくなり周囲が暗闇に包まれました。そして天の川が桜の頭上に昇ってきたころを見計らって撮影開始。残念ながらそのあと車に待機していたため見逃してしまいましたが、自身過去一大きな流星をカメラが捉えていました。流星が見切れているのが少し残念ですが桜と天の川と流星のコラボという贅沢な一枚になりました。
撮影後記
この日の撮影はこの桜だけと決めていたので昼間の下見と夕方から夜撮影を終えるまでかなりの時間この場所に滞在しました。途中仮眠などもしましたが累計10時間くらいはいたでしょうか。桜の周りは鑑賞できるよう程よく草刈りがされていておそらく地元の一部の方には知られた桜だと思いますが滞在した時間は昼間も誰も見に来ることはありませんでした。月が沈んで闇夜が訪れると夜行性の鳥の鳴き声だけが周囲に時折響く静寂が訪れ、繊細な山桜は少しの風でゆらゆらと揺れているのがわかりました。言葉では言い尽くせませんが、そんな自然が尊くまたその場にいる自分が幸せであると感じれた撮影遠征となりました。